発症する前の治療こそが重要
人間の医療と同じように、動物医療においても「未病」は重要なキーワードです。
未病―すなわち“病気に進行しつつある状態”を指す言葉ですが、「病気になってからではなく病気になる前の治療こそが重要」という考えに基づいた言葉といえます。
世田谷イレブンの獣医師も参加している予防動物医学研究会では、「予防は最良の治療」という考えのもと、動物医療における予防医学の研究や実践を進めています。
平成22年10月24日(日)に行われたシンポジウムでは、犬猫のメタボリックシンドロームに関する研究の報告や、がんの早期発見に役立つ腫瘍マーカーの解説、さらに日本糖尿病学会理事長の門脇孝医学博士による特別講演などが行われました。
犬猫のメタボリックシンドローム診断基準
日本獣医生命科学大学の新井敏郎教授は、重篤な脂質代謝異常の予防には初期の段階で発生するインスリン抵抗症の発見が不可欠で、犬や猫独自の診断基準の作成が急務と説明。本年9月から世田谷地区で開始している「メタボリックシンドローム総合健診」で判定基準の検証を進めている事を報告しました。
新井教授は「この事業を進めることで世田谷を“犬猫のメタボフリー地区”にすることも夢ではない」といいます。
また、同大学の森伸子氏は、犬や猫の循環血液中では、HDLコレステロールが優位であることに着目し、新しい肥満診断マーカーとしての研究報告を行いました。
がんの早期発見に不可欠な腫瘍マーカー
東京大学大学院農学生命科学研究科の日下部守昭特任教授は、がんの早期発見に有効な腫瘍マーカーと、その分子を生体内で探索できるバイオイメージングに関する研究成果を報告。予防医学における分子標的治療法の可能性を紹介しました。
糖尿病・メタボのメカニズム解明に向けて
また今回のシンポジウムでは、ヒト糖尿病の研究で知られる東京大学大学院医学系研究科の門脇孝教授による特別講演も実施。
糖尿病の発症におけるインスリン分泌低下と抵抗性の相互作用や、インスリン作用に関わるIRS-1やIRS-2の意義など、糖尿病・メタボリックシンドロームのメカニズムを解明するための戦略について解説が行われました。
動物医療において予防医学は非常に注目されているテーマです。
世田谷イレブンでは「予防医療促進病院」として、メタボリックシンドローム総合健診を全国に先がけて取り入れ実施しています。
メタボリックシンドロームを発症する前に、動物たちの体の状態をチェックしてみましょう。


日本獣医生命科学大学
新井 敏郎 教授

東京大学大学院
農学生命科学研究科
日下部 守昭 特任教授

東京大学大学院
医学系研究科
門脇 孝 教授
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